初めてのコインから出口まで。一生涯のお付き合い。
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         ヴィクトリアコイン VICTORIA COIN

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前回お話しましたように、中世の憧れ、自由を求める流れというのが大きく起こった、という知識を持って、実際のコインの肖像を見ていきたいと思います。

まず注目して頂きたいのが、この王冠です。


https://www.royalmint.com/
画像は、「The Royal Mint」公式より(著作権は、出典元に帰属します)


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%81%96%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E7%8E%8B%E5%86%A0
画像は、「Wikipedia」公式より(著作権は、出典元に帰属します)

聖エドワード王冠になります。

イギリス王室祭具の中で最も古いもの一つと言われています。

実は、コインに、このように王冠を被った君主が登場するのは、1642年のチャールズ二世以来ということになります。

1847年当時は、それまで約200年の間、君主が英国の硬貨に、王冠を被って登場していないのです。

この時すでに立憲君主制が、確立しており、あまり王権の威厳を象徴しすぎるような、 古風な態度はやめようという流れがあったという事です。

そのために約200年の間、王冠をかぶって登場するのは戴冠式のメダルだけになります。

しかし、ヴィクトリア女王の時代には、中世の憧れが非常に強くなってきますので、政治的にも、その流れに影響を受けて200年ぶりにコインに王冠が登場する事になったのです。

さらに、もう一つ分析されているのが、若い女性の頭に乗せた王冠というのは、男性の君主の頭に、乗せるよりも挑発的ではないと判断した意図もあったようです。

アップで見てみまししょう。


https://www.royalmint.com/
画像は、「The Royal Mint」公式より(著作権は、出典元に帰属します)

非常に繊細な細工が施された、精密な彫刻だということがわかりますね。

次に、ヴィクトリア女王の肖像そのものを、見ていきましょう。

https://www.royalmint.com/
画像は、「The Royal Mint」公式より(著作権は、出典元に帰属します)

まず、他の君主のコインと違って特徴的なのが、コインのスペースを独占する勢いで、ぎりぎりまで描かれているところです。

コインからはみ出る勢いでギリギリいっぱいまでかかれている。この構図の大胆さも、まさに自由を主張する、ゴシック様式の中世主義の影響として見る事が出来ます。

そしてヴィクトリア女王の細部も、ゴシック用式で細かく描かれています。

長い編み込みで、耳を縁取るのも中世の髪型の代表です。

ドレスも、四角いコルテックスと精工なレースの編み込みが、細かく描かれています。

イギリスを表す薔薇、スコットランドのあざみ、アイルランドのシャムロックが、見事な仕上がりで刺繍された状態で描かれています。


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A8%8E%E5%A3%AB%E9%81%93
画像は、「Wikipedia」公式より(著作権は、出典元に帰属します)

全体的に、華やかなセレブリティと、女性の個人的な魅力をアピールしていると言えます。

これも中世のゴシックリバイバルの影響です。

中世の騎士道の世界における、貴婦人のような風貌というふうな解釈がされています。

ヴィクトリア女王の肖像をちょっと実際にいくつか見てみましょう。

このように他の君主と違って、非常に女性らしく描かれている事が多いです。


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2_(%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E5%A5%B3%E7%8E%8B)
画像は、「Wikipedia」公式より(著作権は、出典元に帰属します)

例えば、ヴィクトリア女王の前に、君臨した女性の君主として、エリザベス一世の肖像と比べると、非常に分かりやすいと思います。

エリザベス一世の肖像は、威厳を強調した肖像がとても多いです。


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%B6%E3%83%99%E3%82%B91%E4%B8%96
画像は、「Wikipedia」公式より(著作権は、出典元に帰属します)

それに対して、ヴィクトリア女王の肖像は、とても女性らしいですよね。

細かい部分では、口元がわずかに開いているというところも、中世の特徴と言われています。

ヴィクトリア女王は非常に人気ですので、イギリスのテレビドラマにもなり話題になりました。

https://www.imdb.com/title/tt5137338/
女王ヴィクトリア 愛に生きる – IMDb公式より(著作権は、出典元に帰属します)

もう一度肖像のアップを見てみましょう。



https://www.royalmint.com/
画像は、「The Royal Mint」公式より(著作権は、出典元に帰属します)

非常に美しく描かれてます。

ドレスの刺繍の精密なデザインを見ても、ため息が出るほどの完成度に、見惚れてしまいます。

再度、他の君主のコインと比べてみましょう。


https://www.royalmint.com/
画像は、「The Royal Mint」公式より(著作権は、出典元に帰属します)

これまでの知識を持って理解すると、やっぱり非常にこのゴチッククラウンが際立っていることが、ご理解頂けると思います。

そしてもう一つ、ウィリアムワイオンが、若いヴィクトリア女王を描くにあたって、わざわざ銀の媒体を用いた、ということ自体が意味があると言われています。

ヴィクトリア女王の、若くて美しい姿、肌の質感などを、反射率の低い金属の方が、美しくできるという理由で、銀貨を採用したという説があります。


https://www.royalmint.com/
https://www.britishmuseum.org/
画像は、「The Royal Mint」公式/「大英博物館」公式より(著作権は、出典元に帰属します)

大英博物館のこの金貨の写真と比べてみると、それは分かるような気がします。

とにかく、隅々まで、非常によく考えられて作られたコインということが言えると思います。

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